ダイニングテーブルと椅子の色が違うコーディネートに挑戦してみたいけれど、なんだか難しそう…と感じていませんか。
「ダイニングチェアがバラバラだと失敗しないかな?」「そもそも色バラバラの選び方がわからない」といった不安から、結局無難なセット品を選んでしまう方も少なくありません。
また、椅子だけ色を変えたいと思っても、手持ちのテーブルに合う椅子が分からなかったり、特に人気のウォールナットなど茶色のテーブルに合う椅子は何色が良いのか、悩むことも多いでしょう。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、テーブルと椅子の色を変えるコーディネートのメリット・デメリットから、失敗しないための具体的な注意点まで詳しく解説します。
素材とデザインの選び方、参考にしたいデスクチェアの色の組み合わせ、さらには少し変わった視点で色バラバラの場合の風水についても触れていきます。
この記事を読めば、このスタイルがおすすめできる人・おすすめできない人が明確になり、あなただけの素敵なダイニング空間を作るヒントがきっと見つかります。
- 色違いの椅子を選ぶメリットとデメリット
- 失敗しないための基本的なルールと注意点
- おしゃれに見せる素材やデザインの組み合わせ方
- ウォールナットのテーブルに合う椅子など具体的な実例
ダイニングテーブルと椅子の色が違うのは変じゃない?
- コーディネートのメリット・デメリット
- バラバラの椅子選びで「失敗しない」ための注意点
- 色がバラバラでもおしゃれに見せる選び方の基本
- 統一感を出す素材とデザインのコツ
- 椅子だけ色を変えたいときのポイント
コーディネートのメリット・デメリット

ダイニングテーブルと椅子の色をあえて変えるコーディネートは、空間に個性と奥行きを生む魅力的な手法ですが、挑戦する前にそのメリットとデメリットを深く理解しておくことが成功への第一歩です。
結論から言うと、このスタイルは上級者向けに見えて、実はいくつかのポイントを押さえれば誰でも楽しめます。センスの見せ所であり、自分らしい暮らしを表現する絶好の機会となるでしょう。
まず最大のメリットは、画一的でない、オンリーワンの空間を演出できる点です。
既成のダイニングセットにはないオリジナリティが生まれ、まるでカフェやインテリアショップのように、こだわりが感じられる洗練された雰囲気を作り出せます。
インテリア雑誌で見るような、物語性のある空間を自宅で実現できるのは、このスタイルの醍醐味と言えます。
さらに、家族それぞれが自分の好きなデザインや本当に座り心地の良い椅子を選べるのも、暮らしの質を高める大きな利点です。
身長や体格、好みが違っても、各自が「マイチェア」を持つことで、ダイニングで過ごす時間がより快適で豊かなものになります。
一方で、デメリットも存在します。最も懸念されるのは、計画性がないと統一感がなくなり、雑多で落ち着かない印象を与えてしまうリスクです。
何のルールもなく好きなものだけを集めてしまうと、調和が取れず、ただ「バラバラなだけ」の空間になりかねません。そうなると、せっかくのこだわりが裏目に出てしまいます。
また、一脚ずつ理想の椅子を探し出すのは、相応の時間と手間がかかる点もデメリットと言えるでしょう。
セット品のように一度でコーディネートが完成しないため、時には根気強くリサーチしたり、店舗を巡ったりする必要があります。しかし、その過程自体を宝探しのように楽しめる方にとっては、むしろメリットにもなり得ます。
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 個性的でおしゃれな空間になる | ❌ 統一感を出すのが難しい |
✅ 家族が各自好きな椅子を選べる | ❌ 雑多で落ち着かない印象になるリスク |
✅ インテリアのアクセントになる | ❌ 椅子を探すのに時間と手間がかかる |
✅ 気分や季節で椅子を変える楽しみも | ❌ サイズや高さを合わせる知識が必要 |
これらの特性を理解した上で、自分にとってメリットが大きいと感じるなら、ぜひ挑戦してみる価値はあります。次のセクションで解説する「失敗しないための注意点」をしっかり押さえれば、デメリットを巧みに回避し、理想のダイニングを実現できるはずです。
バラバラの椅子選びで「失敗しない」ための注意点

ダイニングチェアをバラバラに選んで、「なんだか部屋がごちゃごちゃして見える…」「座りにくくて結局使わなくなった…」といった後悔を抱くケースは少なくありません。
このようなダイニングチェアをバラバラに選んで失敗するケースには、いくつかの共通した原因があります。しかし、これから紹介する3つの基本的な注意点を徹底して守ることで、そのリスクを大幅に減らすことが可能です。
これらは、センスに自信がない方でも実践できる、コーディネートの土台となる極めて重要なルールです。
1. 「差尺」の確認不足による機能的な失敗

デザインや色に目が行きがちですが、快適なダイニング空間を実現するために最も重要なのはテーブルの天板と椅子の座面の高さの差、いわゆる「差尺(さじゃく)」です。
この差尺の確認を怠ることが、機能面での最も大きな失敗原因となります。見た目がおしゃれでも、日々の食事がしにくかったり、長時間座ると疲れてしまったりと、家具としての役割を果たせなくなってしまいます。
人間工学の観点から、快適な差尺は27cm〜30cmとされています。例えば、日本の一般的なダイニングテーブルの高さである72cmの場合、椅子の座面高は42cm〜45cmが最適ということになります。
バラバラの椅子を選ぶ際は、それぞれの椅子の製品仕様書などで座面高を必ずチェックし、この範囲に収まるものを選びましょう。
よくある「差尺」の失敗例
- 失敗例① 椅子が低すぎる:海外デザインのテーブルに日本の標準的な椅子を合わせたら、テーブルが高すぎて食事がしにくい。常に肩が上がる姿勢になり、肩こりが慢性化した。
- 失敗例② 椅子が高すぎる:アンティークのかっこいい椅子を見つけたが、テーブルと太ももの間が窮屈で足を組めない。結果、姿勢が悪くなり腰痛の原因になった。
2. 「共通点」がなく調和を欠いた見た目の失敗

色も形も素材もすべてがバラバラでは、プロのコーディネーターでも統一感を出すのは至難の業です。ダイニングチェアをバラバラに選んでうまくいかない原因の多くは、この「調和」の欠如が原因です。
失敗しないためには、椅子同士、あるいはテーブルと椅子の間に何かしらの「共通点」を持たせることが絶対的なセオリーです。この「共通の要素」が、個性豊かなアイテムたちを一つのグループとして結びつける「つなぎ」の役割を果たします。
例えば、以下のような共通点を作ることを意識してください。
- 素材を揃える:すべて木製チェアにする、脚部がアイアン素材のもので統一するなど、主要な素材をリンクさせます。
- 色調(トーン)を揃える:色は違っても、ペールトーンやダークトーン、ビビッドトーンなど、色の明るさや鮮やかさの調子を合わせます。
3. 椅子の種類が多すぎることによる散漫な失敗

「あれもこれも素敵」と多くの種類の椅子を一度に組み合わせようとすると、空間が散らかり、まとまりのない印象になりがちです。
特にこのスタイルに初めて挑戦する場合は、あまり多くの種類を一度に組み合わせない方が無難です。
例えば4人掛けのダイニングであれば、「2種類×2脚」や「3種類(3脚は同じデザインで、1脚だけアクセントとして違うものにする)」といった組み合わせから始めると、全体のバランスが格段に取りやすくなります。
1脚だけアクセントとして全く違う椅子を置く方法は、手軽に個性を出せるため特におすすめです。全ての椅子をバラバラにするのは、最も難易度が高いコーディネートだと覚えておきましょう。
ダイニングチェアをバラバラに選んで失敗しないためには、まず機能面の「差尺」を確認し、次に見た目の「共通点」を見つけること。この2点を押さえるだけでも、成功率は格段に上がりますよ。
色がバラバラでもおしゃれに見せる選び方の基本
テーブルと椅子の色が違う場合、どのような色の組み合わせを選べば、ちぐはぐにならずおしゃれに見えるのでしょうか。
色彩理論に基づいた、色の選び方に関する3つの基本テクニックを紹介します。これらのセオリーを知っておけば、色の組み合わせで大きく失敗することはありません。
テクニック1:同系色・類似色でまとめる

最も簡単で、誰でも失敗なく統一感を出しやすいのが同系色や類似色でまとめる方法です。
同系色とは、同じ色相(色の種類)で明るさや鮮やかさが違う色(例:ベージュとブラウン)を指します。類似色とは、色相環(色を円環状に配置したもの)で隣り合う関係の色(例:グリーンとブルー)を指します。
例えば、ナチュラルなオーク材のテーブルには、ベージュやアイボリー、そして類似色である薄いグリーンの椅子を合わせると、まとまりがありつつも単調にならない、優しい雰囲気の空間になります。
色のトーン(明るさや鮮やかさの調子)を合わせることを意識すると、より洗練された印象になります。
テクニック2:アクセントカラーを1色だけ加える

空間にメリハリをつけ、インテリア上級者のような印象を与えたい場合は、アクセントカラー(差し色)を効果的に使いましょう。
基本は落ち着いた色(ベースカラーやアソートカラー)で揃えつつ、4脚のうち1脚だけをビビッドな色にするだけで、空間全体がぐっと引き締まり、視線を集めるフォーカルポイントが生まれます。
例えば、ダークブラウンのテーブルに3脚の黒い椅子を合わせ、残りの1脚をマスタードイエローやロイヤルブルーにすると、その椅子が主役となり、一気におしゃれなダイニングに変わります。
アクセントカラーは、部屋にあるクッションやアート、カーテンの色とリンクさせると、色が空間に馴染み、さらにまとまりが良くなります。
テーブルの色より椅子を濃くするテクニック

テーブルと椅子の素材が同じ木製の場合、テーブルよりも椅子の色を濃くすると、視覚的に空間が安定しやすく、バランスが良く見えます。
これは、面積の大きいテーブルが明るい色だと圧迫感がなく、比較的小さな椅子が濃い色だと空間を引き締める効果があるためです。
例えば、ナラ材(明るい茶色)のテーブルに、ウォールナット材(濃い茶色)の椅子を合わせる組み合わせは、定番ながら非常に美しい調和を生みます。
テクニック3:無彩色(モノトーン)をベースにする

モダンでスタイリッシュ、あるいはミニマルな雰囲気がお好みなら、白・黒・グレーといった無彩色をベースにするのがおすすめです。
これらの色はどんな色とも喧嘩せず、他の色や素材を引き立てる効果があるため、コーディネートが非常にしやすいのが特徴です。
例えば、白いテーブルに黒とライトグレーの椅子を2脚ずつ組み合わせれば、シックで都会的な空間が完成します。ここに、脚部が木製の椅子を一つ加えるなど、少しだけ天然素材感をプラスすると、冷たい印象になりすぎず、温かみのあるモダンな雰囲気も演出できます。
統一感を出す素材とデザインのコツ

色だけでなく、素材とデザインという視点を加えることで、バラバラの椅子でも驚くほど統一感を出すことができます。ここでは、家具選びの際に役立つ、一歩進んだ素材とデザインの組み合わせのコツを具体的に解説します。
素材の共通点を見つける
前述の通り、素材を統一するのは非常に効果的な方法です。たとえ色や形が違っていても、素材感が同じであれば、不思議とそれらの家具は「仲間」として認識され、まとまって見えます。
- 木製で統一:最も取り入れやすい王道の方法です。ウォールナット、オーク、チェリーなど樹種は違っても「木」という大きな共通項があれば、ナチュラルで温かみのある空間になります。さらに上級者を目指すなら、木目の雰囲気を「板目」や「柾目」で合わせたり、仕上げ(オイル仕上げかウレタン塗装か)を揃えたりすると、より洗練された印象になります。
- 異素材ミックスのルールを決める:例えば「木製の座面+アイアンの脚」という明確なルールを決めて、そのルールに沿ったデザインの椅子を色違いで集める方法があります。これにより、インダストリアルやカフェ風の雰囲気を演出しつつ、全体の統一感も保つことができます。
デザインの方向性を揃える
デザインのテイスト(様式)を揃えることも、統一感を出す上で非常に重要です。好きな椅子をランダムに選ぶのではなく、「自分の部屋をどんなスタイルにしたいか」というゴールを最初に決めることが、ブレない軸を作る上で不可欠です。
代表的なインテリアスタイル
- 北欧スタイル:デンマークやスウェーデンなどのデザイン。シンプルで機能的、丸みを帯びたフォルムや天然木、自然から着想を得た淡いカラーが特徴です。
- モダンスタイル:装飾を排した直線的で無駄のないデザイン。白黒のモノトーンやガラス、金属といった無機質な素材がよく使われます。
- ヴィンテージスタイル:使い込まれたような風合いの木材やレザー、錆加工されたアイアンなどを組み合わせた、味わい深いスタイル。ブルックリンスタイルなどもこの一種です。
例えば「北欧スタイル」を目指すなら、デンマークの巨匠、ハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子(Yチェアやザ・チェアなど)や、アルネ・ヤコブセンのセブンチェアなど、同じ系統のデザイナーズチェアを色違いや素材違いで揃えるのも素敵です。
たとえ形が違っても、デザインの根底にある哲学や時代背景、雰囲気が似ているため、自然と調和するのです。
椅子だけ色を変えたいときのポイント

「今使っているテーブルは気に入っているから、椅子だけを買い替えて雰囲気を変えたい」という需要は非常に多いです。
この場合、新しく選ぶ椅子が既存のテーブルに違和感なく溶け込むかどうかが、コーディネート成功の鍵を握ります。
まず、何よりも先に行うべきは、今お使いのテーブルの正確な採寸です。メジャーを用意し、特に以下の3点は必ず測っておきましょう。この一手間を惜しむと、後で「入らない」「使いにくい」といった問題が発生しかねません。
- 床から天板の下(幕板があればその下)までの高さ:アームチェア(肘掛け付きの椅子)を選ぶ場合、アームが天板の下にスムーズに収まるかを確認するために重要です。
- 床から天板の上までの高さ:前述の「差尺」を計算するために必須です。日本の規格では70~72cmが一般的です。
- テーブルの脚と脚の間の長さ(脚間):椅子が何脚、横並びでストレスなく収納できるかを確認するために測ります。特に、幅の広い椅子やデザイン性の高い椅子を選ぶ際は注意が必要です。
次に、テーブルの「脚」のデザインと素材に注目するのが、簡単におしゃれに見せるためのポイントです。
天板のデザイン以上に、テーブルの脚と椅子の脚のデザインや素材を合わせると、驚くほど統一感が生まれます。
例えば、テーブルの脚が黒い細身のスチール製なら、椅子の脚も同じく黒いスチール製のものを選ぶと、たとえ座面の色や素材がバラバラでも、まるでセット品のようなまとまりが生まれます。
逆に、テーブルがナチュラルな木製で、椅子で全く違う雰囲気を加えたい場合は、思い切って樹脂製やスチール製の椅子を合わせるのも一つの手です。
その際は、先ほど紹介した「アクセントカラー」のテクニックを使い、複数脚のうち1脚だけ異素材の椅子を加えてみると、失敗が少なく、空間のおしゃれなアクセントになります。
テーブルの情報をしっかり把握し、特に「脚」のデザインを合わせることを意識してみてください。それだけで、膨大な選択肢の中から、合わせるべき椅子がぐっと絞り込めますよ。
ダイニングテーブルと椅子の色が違う組み合わせ実例
- ウォールナットなど茶色のテーブルに合う椅子
- デスクチェアでの色組み合わせ応用術
- 色がバラバラでも運気は上がる?椅子の色と風水
- おすすめできる人・おすすめできない人の特徴
- ダイニングテーブルと椅子の色が違う選択肢を楽しもう
ウォールナットなど茶色のテーブルに合う椅子
世界三大銘木の一つであるウォールナットに代表されるような、落ち着いた濃い茶色のテーブルは、その高級感と美しい木目で非常に人気があります。
しかし、その存在感ゆえに、合わせる椅子の選択が少し難しいと感じる方もいます。ここでは、茶色のテーブルの魅力を最大限に引き出す、おしゃれな椅子の組み合わせパターンを3つご紹介します。
1. 同素材・同系色で揃える王道の組み合わせ

最も統一感があり、失敗のない組み合わせが、テーブルと同じウォールナット材の椅子を選ぶことです。素材を揃えることで、空間全体に重厚感とホテルライクなまとまりが生まれます。
ただし、すべてが同じだと少し重たい印象になったり、空間が暗く感じられたりすることもあります。
その場合は、座面がファブリックやレザーの椅子を選ぶと、軽やかさや異素材のアクセントが加わり、単調さを回避できます。
座面の色は、アイボリーやライトグレーなら明るく優しい印象に、ブラックレザーならよりシックでモダンな印象になります。また、深みのあるグリーンやネイビーのファブリックも、ウォールナットとの相性が抜群です。
2. 明るい色の木製チェアでコントラストをつける

濃い茶色のテーブルに、あえてオークやビーチといった明るい色の木製チェアを合わせると、人気の北欧ヴィンテージのような、軽快でおしゃれな雰囲気になります。
テーブルと椅子の色のコントラストが、お互いの素材感やデザインを引き立て合います。
この組み合わせを成功させるコツは、椅子のデザインをシンプルで線の細いものにすることです。重厚なテーブルに対して、椅子が軽やかな印象を与えることで、空間全体のバランスが良くなります。
例えば、ハンス・J・ウェグナーのCH24(Yチェア)のオーク材モデルなどは、このスタイルの代表例と言えるでしょう。
3. 黒い椅子でモダンに引き締める

ウォールナットのテーブルと黒い椅子の組み合わせは、モダンで洗練された空間を作る際の鉄板コーディネートです。
黒が空間全体をピリッと引き締め、ウォールナットの持つ美しい木目をより一層際立たせてくれます。
椅子の素材は、木製でもスチール製でも、樹脂製でも構いません。特に、脚部が細い黒のスチールでできた椅子は、シャープな印象を与え、空間に抜け感も生まれるのでおすすめです。
この組み合わせは、インダストリアルスタイルやホテルライクなインテリアを目指す方にもぴったりです。
茶色のテーブルに合わせたい座面の色
- グリーン系:観葉植物のような安らぎを与え、ナチュラルで落ち着いた雰囲気に。
- ブルー系:知的でクールな印象。特にネイビーは黒よりも柔らかく、上品にまとまります。
- グレー系:どんな色とも馴染む万能カラー。モダンにもナチュラルにも振れる便利な色です。
デスクチェアでの色組み合わせ応用術

ダイニングだけでなく、近年需要が高まっているホームオフィスや書斎のデスクとチェアの色の組み合わせにも、これまで紹介してきたテクニックは応用できます。
特にデスク周りは、気分や生産性にも影響を与えるため、色の力をうまく活用したい空間です。総務省の調査によると、テレワークの導入率は年々増加傾向にあり、自宅の労働環境を整えることの重要性は増しています。(出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」)
例えば、仕事に集中したい書斎であれば、落ち着いたダークブラウンのデスクに、黒やグレーのチェアを合わせると、視覚的な情報が少なくなり、シックで集中しやすい環境が作れます。
長時間座ることが多いデスクチェアは、人間工学に基づいた座り心地を最優先しつつ、色で空間の雰囲気をコントロールするのが良いでしょう。
一方で、リビングの一角にワークスペースを設ける場合は、インテリア全体の調和が重要になります。
ナチュラルな木製デスクには、あえてダイニングで使っている椅子の中からお気に入りの一脚を持ってきて使うのも、統一感を出すおしゃれなテクニックです。
そうすることで、ワークスペースがリビングから浮いてしまうのを防ぎ、空間全体につながりが生まれます。
また、気分を上げたい、クリエイティブな作業をするスペースには、思い切ってカラフルな色のチェアを置くのもおすすめです。
白いシンプルなデスクに、ビタミンカラーのイエローやオレンジのチェアを合わせれば、座るたびに明るい気持ちになり、新しいアイデアが生まれるきっかけになるかもしれません。
色がバラバラでも運気は上がる?椅子の色と風水

インテリアを考える上で、風水を少し意識してみたいという方もいるでしょう。風水では、色はそれぞれ特定の「気(エネルギー)」を持つとされており、色の組み合わせによって空間の運気を左右すると考えられています。
特にダイニングは、家族の健康運やコミュニケーション運を司る重要な場所とされています。
結論から言うと、風水において椅子の色がバラバラであること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、様々な色のエネルギーを取り入れることで、バランスの取れた良い運気の空間を作ることができると考えられています。大切なのは、色のバランスと、その色が持つ意味です。
風水の基本となる「五行思想(木・火・土・金・水)」では、自然界のすべてのものはこの5つの要素に分類されるとされ、それぞれを象徴する色があります。これらの色のバランスを取ることが、運気アップにつながるとされています。
五行思想と色の関係(一例)
- 木の気(成長・発展):グリーン、ブラウン系。家族の成長や発展を促します。
- 火の気(情熱・活力):レッド、パープル系。明るく活気のある家庭を築きます。
- 土の気(安定・健康):イエロー、ベージュ系。心身の安定や健康運の基盤を作ります。
- 金の気(豊かさ・金運):ホワイト、ゴールド、シルバー系。豊かさや楽しみごとを象徴します。
- 水の気(冷静・信頼):ブラック、ブルー系。冷静な判断力や家族間の信頼関係を深めます。
例えば、ダイニング全体を「土の気」を持つブラウンやベージュでまとめると、落ち着きと安定感が生まれます。そこに「火の気」を持つ赤い椅子を1脚加えると、家族の会話が弾むような活気ある空間になると言われています。
完全に信じるかどうかは人それぞれですが、色を選ぶ際のストーリーやテーマとして風水を取り入れてみるのは、家具選びをより楽しくする一つの方法と言えるでしょう。
ただし、風水には様々な流派や考え方があるため、あくまで参考程度に楽しむのが良いかもしれません。
おすすめできる人・おすすめできない人の特徴

ダイニングテーブルと椅子の色を変えるコーディネートは非常に魅力的ですが、その特性上、すべての人に最適な選択とは言えません。
ここでは、このスタイルがどんな人におすすめで、どんな人にはあまり向かないのか、その特徴を客観的にまとめてみました。ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせてみてください。
おすすめできる人の特徴
- インテリアで個性を表現したい人:
ありきたりのインテリアでは満足できず、自分だけのオリジナルな空間を作りたいと考えている人には最適です。家具選びのプロセスそのものを、自己表現の一環として楽しめます。 - 時間をかけて理想の空間を育てたい人:
一度に全てを揃えるのではなく、蚤の市や旅行先で運命の一脚に出会うなど、お気に入りの椅子を少しずつ集めていくような、時間をかけたインテリア作りを楽しめる人に向いています。 - 家族の意見や好みを尊重したい人:
家族それぞれが快適に過ごせることを第一に考え、各自の好みの椅子を選ぶことを楽しめる人には、非常に満足度の高い選択肢となります。多様性を受け入れる価値観とも言えるでしょう。
おすすめできない人の特徴
- インテリア選びに時間をかけたくない人:
「時は金なり」で、手早く、簡単に、まとまりのある空間を作りたい人には、セット品の方が圧倒的に効率的です。一脚ずつ探す手間を面倒に感じるかもしれません。 - すっきりと整然とした空間が好きな人:
ホテルのように、すべてが完璧に統一されたミニマルな空間を好む人にとっては、椅子の色が違うと、それがどんなにおしゃれでも「ノイズ」として感じてしまう可能性があります。 - コーディネートの失敗を極度に恐れる人:
ある程度の試行錯誤や、「少しイメージと違った」という経験も楽しみの一部ですが、「絶対に失敗したくない」というプレッシャーが強いと、家具選びがストレスになってしまうかもしれません。
もしあなたが「おすすめできない人」に当てはまる場合でも、まずはクッションカバーやランチョンマットの色を変えることから始めてみるのはいかがでしょうか。それだけでも、ダイニングの雰囲気が大きく変わる楽しさを安全に実感できるはずですよ。
総括 : ダイニングテーブルと椅子の色が違う選択肢を楽しもう
この記事では、ダイニングテーブルと椅子の色が違うコーディネートについて、様々な角度から詳しく解説してきました。最後に、今回の内容をリスト形式で振り返ります。
- テーブルと椅子の色を変えるのは個性的な空間を作る楽しい選択肢
- メリットはオリジナリティを表現でき家族が各自の好みを選べること
- デメリットは統一感を出すのが難しく家具探しに手間がかかること
- 失敗しない最大のコツはテーブルと椅子の「差尺」を27cm~30cmにすること
- 色・素材・デザインなど何かしらの「共通点」を作るとまとまりやすい
- 色の選び方は同系色でまとめるかアクセントカラーを1色加えるのが基本
- テーブルより椅子を濃い色にすると空間が安定しやすい
- ウォールナットのテーブルには同素材や明るい木、黒い椅子が合う
- 椅子だけ変える際はテーブルの脚のデザインと合わせるのがポイント
- デスク周りでも色の組み合わせで集中力や気分をコントロールできる
- 風水では色のバランスが重要で色がバラバラなこと自体は問題ない
- インテリアで個性を出したい、家具選びを楽しみたい人におすすめ
- 手早く簡単に済ませたい、整然とした空間が好きな人にはセット品が向いている
- まずは1脚だけ違うデザインの椅子を取り入れることから始めるのも良い方法
- ルールを知ればセンスに自信がなくてもおしゃれなダイニングは作れる