【机の引っ越し】解体は必要?料金や注意点を徹底解説

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【机の引っ越し】解体は必要?料金や注意点を徹底解説
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机の引っ越しを控えているものの、具体的にどうするべきか分からずお困りではありませんか。特に組み立て式の家具は、解体や梱包の手順、料金の相場など、分からないことが多いですよね。

引っ越しで机だけを運びたい場合や、精密機器が多いゲーミングデスクの引っ越し、部屋から机が出せないといった特殊なケースでは、さらに悩みは深まるでしょう。

また、ニトリ製品の家具解体や、サカイ引越センターのような大手業者がどこまで対応してくれるのか、家具を解体しないで運ぶ方法はあるのかなど、知りたい注意点は山積みです。

この記事では、そんな机の引っ越しに関するあらゆる疑問を、専門的な視点から深掘りし、具体的な解決策を提示します。

記事のポイント
  • 机の引っ越しにおける解体・梱包の基本手順
  • 業者に依頼する場合の料金相場と作業範囲
  • メーカー別の家具や特殊な机の運搬における注意点
  • 「机が出せない」といったトラブル発生時の具体的な解決策
目次

机の引っ越しの基本準備と手順

  • 引っ越しの机はどうする?
  • 基本的に机の解体は必要か
  • 家具を解体しない場合の運び方
  • 机の梱包方法と手順
  • 業者依頼時の注意点

引っ越しの机はどうする?

引っ越しの机はどうする?
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引っ越しという大きな節目において、現在お使いの机をどうするかは最初の重要な決断です。この選択は、今後の引っ越し全体のスケジュールや予算にも影響を与えます。

選択肢は大きく分けて「新居へ運ぶ」「この機会に処分する」の2つになります。

新居へ運ぶ場合の選択肢

愛着のある机や、まだ十分に使える机は、新居でも活躍してもらいたいものです。その場合の運搬方法は、さらに「自分で運ぶ」か「専門業者に依頼する」かに分かれます。

コンパクトな折りたたみ式の机や、解体すれば乗用車に積めるサイズの机であれば、ご自身で運ぶことで費用を抑えることが可能です。

しかし、学習机や書斎のデスク、オフィスデスクのような大型で重量のあるものは、無理せず専門業者に依頼するのが賢明でしょう。

業者に依頼すると決めた場合も、「解体して運ぶ」のか、「完成品のまま運ぶ」のか、机の特性や業者のポリシーによって方針を決める必要があります。

処分する場合の選択肢

一方で、新居のインテリアに合わない、サイズが大きすぎる、あるいは経年劣化が進んでいるといった理由で、引っ越しを機に机を手放すのも一つの合理的な選択です。処分方法も多岐にわたります。

  • 売却・譲渡:状態が良いものであれば、リサイクルショップフリマアプリ(メルカリ、ラクマなど)で売却することで、処分費用がかからないどころか、臨時収入になる可能性もあります。また、友人や知人に譲るのも良い方法です。
  • 粗大ゴミとして処分:売却や譲渡が難しい場合は、お住まいの自治体のルールに従って粗大ゴミとして処分します。これは最も一般的な方法ですが、通常は有料であり、指定の場所まで自分で運び出す必要があります。
  • 不用品回収業者に依頼:運び出しが困難な場合や、他の不用品もまとめて処分したい場合は、不用品回収業者に依頼する方法があります。費用はかかりますが、自宅まで引き取りに来てくれるため手間がかかりません。

意思決定のためのチェックリスト

  • □ その机に特別な愛着や思い出はあるか?
  • □ 新居の設置スペースにサイズは収まるか?
  • □ 新居のインテリアデザインと机のデザインは調和するか?
  • □ 運搬にかかる費用と、新しい机を購入する費用を比較して合理的か?
  • □ 経年劣化による傷みや機能的な問題はないか?

まずはこれらの点を総合的に考慮し、ご自身の状況に最も合った方法を選択しましょう。運ぶと決めたら、次のステップで具体的な運搬方法を詳しく検討していきます。

本的に机の解体は必要か

基本的に机の解体は必要か
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結論から申し上げると、引っ越し業者に運搬を依頼する際、IKEAやニトリなどで購入した「組み立て式」の机は、原則として解体するのが基本ルールです。

「面倒だからそのまま運びたい」と思うかもしれませんが、これには安全と効率に関わる、プロならではの明確な理由が存在します。

理由1:安全な運搬の確保

組み立て家具は、あくまで静止した状態で使用されることを前提に設計されています。完成品をそのまま運ぶほどの強度、特にねじれに対する剛性(ねじり剛性)は持ち合わせていません。

トラックでの輸送中、道路の凹凸やカーブで発生する微細な振動や衝撃が繰り返し加わることで、ネジの接合部が緩み、板材が歪み、最悪の場合は崩壊するリスクがあります。

特に長距離の引っ越しでは、家具が受けるダメージは計り知れません。パーツごとに丁寧に分解し、それぞれを緩衝材で保護して梱包することで、こうした破損のリスクを限りなくゼロに近づけ、大切な机を安全に新居まで届けることができるのです。

理由2:運搬効率の最大化

もう一つの大きな理由は、スペース効率です。机を完成品のままトラックに積むと、その凹凸のある形状がデッドスペースを生み出し、荷台の積載効率を著しく低下させます。

解体して平らな板状のパーツにすれば、他の荷物との隙間に効率よく積み込むことができ、限られた荷台スペースを最大限に活用できます。

これは、より小さなトラックで運搬できる可能性を高め、結果的に引っ越し全体の料金を抑制することにも繋がります。

さらに、解体された状態であれば、狭いマンションの廊下や曲がりくねった階段、規格の狭いドアなどもスムーズに通過でき、搬出・搬入作業そのものが迅速かつ安全に進みます。

解体しないことのリスクを再認識

解体せずに無理に運ぼうとすると、机自体の破損はもちろん、搬出・搬入時に壁紙を擦ってしまったり、床に傷をつけたり、他の大切な家財にぶつけてしまったりと、二次的な被害を引き起こす可能性も高まります。

安全」と「効率」という二つの観点から、組み立て家具の解体はプロの作業における必須工程であると理解しておきましょう。

家具を解体しない場合の運び方

家具を解体しない場合の運び方
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前述の通り、組み立て式の机は解体が基本原則ですが、「どうしても解体したくない」「構造的に解体が不可能」といった特殊な事情がある場合、特定の条件下で例外的にそのまま運んでもらえる可能性はあります。

ただし、それには大きなリスクが伴うことを十分に理解し、覚悟する必要があります。

解体しないことの唯一のメリットは、新居に到着後、すぐに机が使える点です。再組み立ての手間と時間を完全に省略できるため、解体やDIYが苦手な方にとっては魅力的に映るかもしれません。

しかし、そのメリットを遥かに上回る大きなデメリットが存在します。それは、運搬中の破損リスクが極めて高くなることです。

このリスクのため、ほとんどの引っ越し業者は、顧客が強く希望して解体せずに運ぶ場合、「免責同意書」への署名を求めます。

これは、「万が一、輸送中に机が破損・変形した場合でも、運送会社はその責任を負いません」という内容の契約です。つまり、「壊れても自己責任」という条件を呑んだ上で運んでもらうことになり、大切な机を大きな危険に晒すことになります。

高価な机や思い入れのある机の場合、この選択は非常におすすめできません。リスクを正しく理解し、慎重に判断してください。

業者が解体せずに運ぶことを検討してくれる主な条件は、以下の3つです。

  • 搬出入経路の確保:机が部屋のドア、廊下、階段、エレベーターなどを問題なく通過できるサイズであることが絶対条件です。
  • 構造的な強度:アンティーク家具や一枚板のテーブルなど、元々完成品として製造された、輸送に耐えうる頑丈な構造であること。
  • 免責への同意:前述の通り、運搬中の破損に対する補償を求めないことに書面で同意すること。

これらの条件をすべてクリアし、かつリスクを承知の上であれば、業者も相談に応じてくれるでしょう。しかし、これはあくまで例外的な対応であり、基本的には推奨されない方法であると心に留めておいてください。

机の梱包方法と手順

机の梱包方法と手順
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机を新居まで安全に届けるためには、専門的で丁寧な梱包が不可欠です。業者に一任する場合でも、事前に準備をしておくと当日の作業が格段にスムーズになります。

ここでは、ご自身で作業を行う場合を想定した、プロの視点を取り入れた詳細な手順を解説します。

ステップ1:引き出しの中身を完全に空にする

梱包作業の第一歩は、机の引き出しや棚の内容物をすべて取り出すことです。中身が入ったままだと、その重みで運搬中に引き出しの底板が抜けたり、レールが歪んだりする原因となります。

また、中身が動いて机の内側を傷つけることもあります。文房具、書類、ガジェット類は、それぞれカテゴリーごとに分類し、小さなダンボールや収納ケースに詰めていきましょう。

その際、「書斎の机・上段の文房具」のように内容物を明記しておくと、新居での荷解き作業が非常に効率的になります。

ステップ2:机の解体(取扱説明書は必須)

自分で解体作業を行う場合は、焦らず慎重に進めることが重要です。可能であれば、購入時に付属していた取扱説明書を手元に用意してください。

自己流で解体すると、隠しネジを見逃して無理な力をかけてしまい、パーツを破損させる原因となります。

解体作業を記録する「デジタル備忘録」

解体を始める前に、スマートフォンのカメラで「全体像」「各パーツの接合部」「特徴的なネジの位置」などを多角的に撮影しておきましょう。

動画で一連の流れを撮影するのも非常に有効です。これが再組み立ての際の何よりのガイドになります。

取り外したネジやボルトなどの細かい部品は、解体した部位ごとにジップロックのような小袋に入れ、「天板と脚の接合部」といったように油性ペンでメモを書き、パーツごとに管理することで紛失や混同を防げます。

ステップ3:パーツの保護と最終梱包

解体したパーツや、解体しない机本体を、運搬中の衝撃から守るために緩衝材で保護します。

特に傷や凹みが生じやすい天板の角や縁、脚の先端などは、エアキャップ(通称プチプチ)や巻きダンボール、古い毛布などで二重、三重に包み、養生テープでしっかりと固定します。

ガラス製の天板など、特にデリケートな素材の場合は、さらに厚手のダンボールで挟んでサンドイッチ状にすると安全性が高まります。

取り外した引き出しは、それ自体をエアキャップで包んで個別に運ぶのが理想です。もし本体に収めて運ぶ場合は、引き出しが飛び出さないように紐で固定するか、塗装を傷めないマスキングテープなどで仮止めしましょう。

業者依頼時の注意点

業者依頼時の注意点
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机の引っ越しをプロである業者に依頼することは、最も安全で確実な方法ですが、依頼者側もいくつかの点を押さえておくことで、後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな作業を実現できます。見積もりを取る段階から、以下のポイントを意識してください。

1. 対応範囲と料金体系の徹底確認

最も重要なのが、「基本料金に含まれる作業」と「オプション(追加料金)となる作業」の境界線を明確にすることです。

多くの引っ越し業者では、家具の解体、梱包、搬出入は基本サービスに含まれていることが多いです。しかし、新居での再組み立てはオプション料金扱いとなっているケースが少なくありません。

この点を曖昧にしたままだと、引っ越し完了後に想定外の追加料金を請求される可能性があります。

見積書を受け取ったら、「家具組立料」や「特殊作業費」といった項目がないか、隅々までチェックしましょう。

もし記載があれば、それが自分の机に適用されるのかを必ず担当者に質問し、納得のいく説明を求めてください。「言った、言わない」のトラブルを避けるためにも、確認した内容は見積書に一筆書き加えてもらうと万全です。

2. 特殊な家具やブランド家具の事前申告義務

お持ちの机が、例えばIKEA製品海外製の高級デザイナーズ家具、あるいは多数の電子機器を伴うゲーミングデスクである場合、その情報を必ず見積もり訪問の際に申告してください。

これらの家具は、特殊なネジや固定金具を使用していたり、構造が複雑であったりするため、通常の工具や知識では対応できない場合があります。

特にIKEAの家具については、公式サイトでも解体・再組立を推奨していない旨が記載されており、一度解体すると強度が著しく低下する可能性があるため、業者によっては作業自体を断る方針を取っているところもあります。

事前に正確な情報を伝えることは、当日になって「この机は運べません」という最悪の事態を回避するための、依頼主の重要な責任です。

3. 破損時の補償内容と適用条件の確認

万が一の事態に備え、運搬中に机が破損した場合の補償内容についても確認しておくことが大切です。日本の大手引っ越し業者は、国土交通省が定める「標準引越運送約款」に基づいて運営されており、作業中の過失による損害は補償されるのが基本です。しかし、補償には適用条件があります。

  • 依頼主の強い希望で「解体せずに運んだ」場合の破損
  • 家具自体の経年劣化(古い接着の剥がれなど)が主な原因と判断された場合
  • 補償の上限金額

これらの場合は補償の対象外となることがあります。特に高価な机を運ぶ際には、補償内容を詳しく確認し、必要であれば別途運送保険をかけるなどの対策も検討しましょう。

机の引っ越しのパターン別対応方法

  • 引っ越しで机だけの料金相場は?
  • ゲーミングデスク引っ越しのコツ
  • 家具解体でニトリ製品のポイント
  • 家具解体はサカイに頼める?
  • 部屋から机が出せない時の対処法
  • まとめ:スムーズな机 引っ越しのために

引っ越しで机だけの料金相場は?

引っ越しで机だけの料金相場は?

他の荷物は自分で運ぶけれど、大きくて重い机だけはプロに安全に運んでほしい」というニーズは非常に多いです。

このような場合、一般的な引っ越しプランではなく、各社が提供している家具・家電単品輸送サービスを利用するのが最もコストパフォーマンスに優れています。

料金は、輸送する机のサイズ(縦・横・高さの合計)、重量、そして移動距離によって算出されるのが基本です。

依頼先ごとの料金とサービス内容のおおよその目安は、以下の表の通りです。

スクロールできます
サービスの種類料金相場(同一市内・近距離)メリットデメリット・注意点
大手引越し業者の輸送サービス8,000円 ~ 25,000円梱包から設置まで一貫して任せられ、補償も手厚く安心感が高い。料金は比較的高めに設定されている傾向がある。
赤帽など軽貨物運送5,000円 ~ 15,000円料金が比較的安価で、急な依頼にも対応しやすい柔軟性がある。作業員が1名の場合が多く、大型机の搬出入時に手伝いを求められることがある。解体・梱包はオプション料金か自己対応の場合も。
家具輸送専門業者10,000円 ~ 30,000円専門知識と技術が豊富で、アンティークやデザイナーズ家具など、扱いの難しい机でも安心して任せられる。サービスの質が高い分、料金も高額になることが多い。

料金を確定させるための重要ポイント

上記の料金はあくまで閑散期の目安です。3月~4月の引っ越し繁忙期や、土日祝日は2割~5割程度料金が上乗せされるのが一般的です。

最も重要なのは、1社だけでなく必ず3社程度の業者から「相見積もり」を取り、サービス内容と料金を比較検討することです。

その際、「机の正確な三辺サイズ」「解体が必要かどうか」「搬出入経路(エレベーターの有無など)」を伝えることで、より精度の高い見積もりを得ることができます。

ゲーミングデスク引っ越しのコツ

ゲーミングデスク引っ越しのコツ
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ゲーミングデスクは、単なる作業台ではなく、PC本体や複数のモニター、音響機器、無数のケーブルなどが複雑に組み合わされた「システム」です。

そのため、その引っ越しは通常の机よりも遥かに繊細さと計画性が求められます。失敗を避けるための重要なコツを、ステップごとに解説します。

ステップ1:現状の完全な記録(デジタルアーカイブ化)

解体を始める前に、現在の配線状況を「これでもか」というほど多角的に写真や動画で撮影してください。

デスクの裏側PCの背面ポートハブや電源タップ周りなど、どのケーブルがどこに接続されているかが一目で分かるように記録します。これが新居での悪夢のような配線作業からあなたを救う、最高のガイドブックになります。

ステップ2:すべての周辺機器の安全な取り外し

PC本体、モニター、スピーカー、マイク、ウェブカメラ、そして特に注意が必要なモニターアームなど、デスクに接続・設置されているすべての機器を丁寧に取り外します。

モニターアームはデスクに強力なクランプで固定されているため、無理に力を加えるとデスク天板を破損させる恐れがあります。

必ず取扱説明書を確認し、正しい手順で取り外してください。取り外したモニターは、購入時の箱があればそれに入れて運ぶのが最も安全です。

ステップ3:ケーブル類の丁寧な仕分けとラベリング

取り外した膨大な量のケーブルは、機器ごとに(例:「メインモニター用電源+映像ケーブル」「オーディオインターフェース用USB+音声ケーブル」など)まとめて、結束バンドやマジックテープで束ねます。

そして、どの機器のものか一目で分かるように、マスキングテープなどで作ったラベルを貼り付けます。この一手間が、新居でのセットアップ時間を劇的に短縮します。

電動昇降機能付きのゲーミングデスクなどは、非常に重量があります。業者に運搬を依頼する場合でも、これらの周辺機器の取り外しと管理は、原則として自分で行う必要があります。引っ越し前日になって慌てないよう、計画的に作業を進めましょう。

家具解体でニトリ製品のポイント

「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるニトリの家具は、多くの家庭で愛用されていますが、その構造は引っ越しの際に注意が必要なモデルが少なくありません。

特に、一度組み立てた後の解体は慎重に行う必要があります。

最大の注意点は、一部の家具で使用されている「木ダボ」と「木工用接着剤」の組み合わせです。特に背の高い本棚や食器棚、チェストなどの大型収納家具では、強度を高める目的で、パーツの接合部に木ダボを差し込み、さらに接着剤での固定を組立説明書で推奨している場合があります。

この指示通りに組み立てた家具は、事実上「解体不可能な一体化した家具」になっています。無理に解体しようとすると、接着面で板の表面が剥がれたり、木ダボが折れてパーツが割れたりする可能性が極めて高いです。

判断の鍵は「組立説明書」にあり

お持ちのニトリ家具が解体できるかどうかを判断する最も確実な方法は、購入時に付属していた「組立説明書」を再確認することです。

もし紛失してしまった場合でも、ニトリの公式サイトでは、商品番号や商品名から組立説明書を検索・ダウンロードできるサービスが提供されています。

引っ越し業者に見積もりを依頼する前に、必ずこの点で解体が可能かどうかを確認しておきましょう。

接着剤を使用していないモデルであれば、比較的スムーズに解体・再組み立てが可能です。ただし、ニトリの家具は木ネジ(タッピングネジ)を多用している傾向があります。

木ネジは、一度取り外すとネジ穴がわずかに広がり(俗に言う「ネジ穴がバカになる」状態)、再組み立ての際に締め付けが甘くなり、完成後の強度が新品時よりも低下する可能性があることは、念頭に置いておく必要があります。

家具解体はサカイに頼める?

家具解体はサカイに頼める?

「仕事きっちり」のCMでおなじみの「サカイ引越センター」をはじめ、アート引越センター日本通運といった大手引っ越し業者は、家具の取り扱いに関する豊富なノウハウを持っています。

そのため、一般的な組み立て式家具であれば、その解体・再組み立ては基本サービスの一環として快く対応してくれる場合がほとんどです。

現場の作業員は多種多様な家具の構造を熟知しており、専用の工具を使って迅速かつ丁寧に作業を進めてくれます。

しかし、これはあくまで「一般的」かつ「解体が物理的に可能な」家具に限られます。プロであっても対応が難しい、あるいは追加料金が発生するケースも存在します。

  • 解体が構造上困難な家具:前述したニトリの接着剤を使用した家具や、解体を前提としていないIKEAの特定シリーズなどは、破損のリスクが非常に高いため、現場判断で作業を断られることがあります。
  • 特殊な工具や知識を要する家具:一部の海外製デザイナーズ家具や、複雑な機構を持つオフィスデスクなどは、専用の工具や特別な手順が必要なため、対応できない場合があります。
  • 再組み立て後の強度保証の問題:プロが作業したとしても、一度解体した家具の強度は新品時と同等には戻りません。業者はそのリスクを依頼主に説明し、あくまで「現状復帰」を目指すものであり、完全な強度を保証するものではない、という前提での作業となります。

最も確実な方法は「訪問見積もり」での現物確認

電話やウェブサイトでの自己申告だけでは、家具の正確な状態は伝わりません。最も確実でトラブルがない方法は、必ず「訪問見積もり」を依頼し、営業担当者に実物の机を直接見てもらうことです。

プロの目で構造やネジの種類、劣化具合などをチェックしてもらい、その場で「解体・再組み立てが可能か」「追加料金は発生するか」を明確に判断してもらいましょう。

その確認結果を見積書に明記してもらうことで、当日の作業がスムーズに進みます。

部屋から机が出せない時の対処法

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「解体できない一体型の机なのに、いざ運び出そうとしたら部屋のドアを通らない…」。これは引っ越しにおいて最も焦るトラブルの一つです。しかし、パニックになる前に、いくつか試せる対処法があります。

ステップ1:搬出経路(通路側)の障害物を取り除く

まず試すべきは、机そのものではなく、通り道を広くすることです。意外な盲点として、部屋のドア本体を蝶番(ちょうつがい)から取り外すだけで、数センチメートルの幅を稼ぐことができます。

このわずかな差で通過できるケースは少なくありません。また、廊下に置かれている他の家具や観葉植物などを一時的にすべて撤去し、最大限のスペースを確保することも重要です。

机を斜めにしたり、回転させたり、さまざまな角度を試すことで、ギリギリ通過できることもあります。

ステップ2:窓からの吊り下げ搬出を依頼する

あらゆる角度を試しても物理的に廊下や階段を通れない場合の最終手段が、窓やベランダからの「吊り作業」による搬出です。

これは引っ越し業者が提供する専門的なオプションサービスで、熟練の作業員がロープやクレーン、専用の機材を使用して、家具を安全に吊り下ろし(あるいは吊り上げ)、地上で待機するトラックへ積み込みます。

料金は、建物の階数(2階からの手吊りか、3階以上でクレーンが必要かなど)、作業の難易度、机の重量によって大きく異なりますが、おおよそ15,000円〜50,000円程度が相場です。

ただし、以下のような条件下では吊り作業が実施できない場合もあります。

  • 搬出入する窓が小さすぎる
  • 窓のすぐ下に電線や太い木の枝などの障害物がある
  • クレーン車を設置する十分なスペースが建物の前にない

吊り作業が必要になるかどうかは、素人判断は禁物です。必ず訪問見積もりの際にプロの目で判断してもらい、可能かどうか、そして費用がいくらかかるのかを正確に見積もってもらいましょう。

ステップ3:最終手段としての処分

吊り作業も不可能で、物理的にどうしても搬出できない場合は、非常に残念ですが、その机を新居へ運ぶことを断念し、その場で処分するという決断が必要になることもあります。

この場合、その場で破壊的に解体して自治体の粗大ゴミとして出すか、不用品回収業者に連絡して引き取りを依頼することになります。特に賃貸物件の場合、退去日までに部屋を空にする必要があるため、早めの判断が求められます。 (参考:新宿区 粗大ごみの出し方)

総括 : スムーズな机の引っ越しのために

この記事で詳細に解説してきた、複雑でトラブルの多い机の引っ越しを、計画的かつスムーズに成功させるための重要なポイントを、最後にリスト形式で総括します。

  • まず初めに、新居の状況や費用対効果を考え「運ぶ」か「処分する」かの意思決定を行う
  • 組み立て式家具は、輸送中の安全確保と積載効率向上のため、原則として解体が必要であると理解する
  • 解体せずに運ぶ場合は、破損しても補償対象外となる「免責同意」が条件となることを覚悟する
  • 梱包作業の前には、引き出しの中身を完全に空にし、中身は別途ダンボールに詰める
  • 自分で解体する際は、後の組み立てのために写真や動画で手順を記録し、ネジなどの部品は部位ごとに分別管理する
  • 業者に見積もりを依頼する際は、基本料金とオプション料金の範囲を明確にし、特に「再組み立て」の料金を確認する
  • IKEAやニトリの接着剤使用家具、ゲーミングデスクなどの特殊な机は、必ず見積もり時に現物を見せて事前申告する
  • 机1点だけを運びたい場合は、割高な引っ越しプランではなく「家具・家電輸送サービス」の利用を検討する
  • 机単品の輸送料金は、距離やサイズにより5,000円から30,000円以上と幅があるため、必ず相見積もりを取る
  • ゲーミングデスクの引っ越しでは、周辺機器の取り外しと、膨大な配線のラベリングが成功の鍵を握る
  • ニトリ家具の解体の可否は、組立説明書に記載されている「接着剤」の使用の有無で判断する
  • サカイ引越センターなどの大手業者は、一般的な家具の解体には対応可能だが、最終判断は訪問見積もりでの現物確認が不可欠
  • 吊り下げ作業も不可能な場合は、残念ながらその場での処分も視野に入れておく必要がある
  • 何よりも重要なのは、早めに計画を立て、専門家である引っ越し業者に相談し、正確な情報を得ることである
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