来客がダイニングテーブルに座る位置と基本マナー

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来客がダイニングテーブルに座る位置と基本マナー
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自宅での来客時、ダイニングテーブルの座る位置に迷った経験はありませんか。

ダイニングの上座は一体どこなのか、お客様をどこに通すべきか、いざという時に慌ててしまうことは多いものです。

特に洋室のリビングやダイニングでは、リビングの上座の考え方や、自宅の来客をどの座る位置にご案内すれば良いか、その原則を知っておくことが大切です。

また、リビングテーブルなしの来客スタイルが増えている現代の住宅事情では、さらに対応に困るかもしれません。

この記事では、そうした来客マナーに関するあらゆる疑問を解消するため、基本となるポイントから具体的な注意点まで、分かりやすく解説していきます。

この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。

記事のポイント
  • 来客時に案内する上座と下座の基本的な考え方
  • リビングやダイニング、和室など部屋ごとの正しい席次
  • 複数の来客やイレギュラーな状況に対応する応用マナー
  • お客様に失礼なく、気持ちよく過ごしてもらうための心配り
目次

来客がダイニングテーブルに座る位置の基本

  • まずは来客をどこに通すか
  • 自宅での来客が座る位置の原則
  • 洋室の上座は入口から最も遠い席
  • リビングの上座は椅子の種類で決まる
  • ダイニングの上座はどこになるのか
  • リビングテーブルなしの来客への対応

まずは来客をどこに通すか

まずは来客をどこに通すか
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来客があった際、まず悩むのが「どの部屋にお通しするか」という点です。

現代の住宅では、独立した応接間がないケースがほとんどであり、リビングやダイニングがその役割を兼ねています。

一般的には、お客様には最もくつろげる空間を提供することが望ましいと考えられます。

そのため、多くの家庭ではリビングや、リビングとひと続きになったダイニングスペースにお通しするのが主流です。

ただし、来訪の目的によって案内する場所を判断することも大切になります。例えば、短時間の用事や配達物の受け取りであれば、玄関先で対応を済ませることも少なくありません。

一方で、親しい友人や親戚、あるいは家庭訪問のような改まったお客様の場合は、家の中心であるリビングやダイニングにご案内し、ゆっくりと過ごしていただくのが適切です。

どの部屋にお通しするかにかかわらず、重要なのはお客様を歓迎する気持ちです。

日頃からどの部屋でもお客様を迎えられるよう、整理整頓や清掃を心がけておくと、急な来客にも慌てずに対応できます。

自宅での来客が座る位置の原則

自宅での来客が座る位置の原則
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お客様を部屋にご案内した後、次に考えなければならないのが座る位置です。

日本のマナーには「上座(かみざ)」と「下座(しもざ)」という席次の考え方があり、これは相手への敬意を示すための大切な文化です。

上座と下座の基本的な考え方

上座とは、その部屋で最も快適で安全な席を指し、敬意を払うべきお客様に座っていただく場所です。

一方の下座は、おもてなしをするホスト側が座る席で、出入口に近く、お茶の準備などで動きやすい位置となります。

この席次の原則は、敵から大将を守るために最も安全な奥の席に座らせたという武家社会の慣習や、神聖な床の間を敬う文化に由来するとも言われています。

したがって、自宅に来客があった場合は、お客様を上座へ案内し、自分たちは下座に座るのが基本的なマナーです。

この原則を覚えておくだけで、お客様に敬意と歓迎の気持ちを自然に示すことが可能になります。

洋室の上座は入口から最も遠い席

洋室の上座は入口から最も遠い席
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洋室における上座の最も基本的なルールは、「出入口から一番遠い席が上座」というものです。

これは、人の出入りが激しい出入口付近は落ち着かず、また、何かあった際に一番安全な場所が部屋の奥である、という考えに基づいています。

お客様をご案内する際は、「奥の席へどうぞ」と声をかけ、自然に上座へ誘導しましょう。

ホストは、お客様の様子に気を配り、お茶を淹れたりといったお世話がしやすいように、出入口に近い下座に座るのが合理的です。

もし、お客様が遠慮して下座に座ろうとした場合は、「どうぞおくつろぎください」と改めて上座を勧めます。

それでも固辞されるようであれば、無理強いはせず、お客様の意向を尊重する柔軟な対応も必要です。

基本ルールを理解した上で、相手との関係性やその場の雰囲気に合わせて判断することが求められます。

リビングの上座は椅子の種類で決まる

リビングの上座は椅子の種類で決まる
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リビングルームのようにソファや椅子が置かれている洋室では、部屋のレイアウトだけでなく、椅子の種類によっても席次が決まります。

より快適で立派な椅子が上座となり、お客様に最上のくつろぎを提供することが目的です。

一般的に、椅子の格式は以下の順で考えられます。

順位椅子の種類特徴
1位長椅子(ソファ)複数人でゆったりと座れる最も格上の席
2位一人掛けの肘掛け付き椅子肘掛けがあり、リラックスしやすい
3位肘掛けのない椅子背もたれはあるが、やや簡素なタイプ
4位スツールや補助椅子背もたれや肘掛けがなく、最も下座に近い

したがって、応接セットが置かれているリビングでは、たとえ出入口からの距離が近くても、長椅子タイプのソファが最も格上の上座となります。

お客様にはまずソファをお勧めし、ホスト側は一人掛けの椅子や下座に位置する椅子に座るのがマナーです。このルールを知っておくと、お客様をスムーズにご案内できます。

ダイニングの上座はどこになるのか

ダイニングの上座はどこになるのか
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ダイニングテーブルでお客様をもてなす際の席次も、基本原則は洋室と同じです。つまり、出入口から最も遠い席が上座となります。

お客様には、落ち着いて食事や会話を楽しんでいただけるよう、奥の席にご案内しましょう。

長方形のテーブルの場合、お客様が複数名いらっしゃるときは、上座である奥の長辺の中央に最も主賓格の方に座っていただきます。

そして、その方の右側が二番手、左側が三番手、という順番で席を割り振るのが一般的です。これは、中央の席が全体を見渡しやすく、会話の中心に入りやすいためです。

もし、テーブルのレイアウト上、景色が良い窓側など、上座とされる場所以外にお客様に座っていただきたい席がある場合は、その理由を伝えます。

「こちらの席からお庭が綺麗に見えますので、よろしければどうぞ」といった一言を添えることで、マナー違反ではなく、おもてなしの心として伝わるでしょう。

リビングテーブルなしの来客への対応

リビングテーブルなしの来客への対応
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最近では、部屋を広く使うためにリビングテーブルを置かないご家庭も増えています。そのような場合に悩むのが、来客時のお茶やお菓子の置き場所です。

サイドテーブルやトレーを活用する

リビングテーブルがない場合は、サイドテーブルやスツール、あるいは大きめのトレーなどを活用するのが有効な解決策となります。

お客様がソファに座られているのであれば、その横にサイドテーブルを置き、お飲み物などを提供します。可動式の小さなテーブルは、普段は邪魔にならず、来客時だけ使えるので非常に便利です.

また、折りたたみ式のローテーブルを一台用意しておき、来客時のみ設置するという方法もあります。使わないときは収納しておけるため、空間を圧迫することがありません。

ダイニングテーブルへ誘導する

もし、リビングでの対応が難しい場合は、最初からダイニングテーブルにご案内するのも一つの手です。

ダイニングであれば、お茶やお菓子を出すのもスムーズですし、テーブルを囲んで落ち着いて話ができます。

リビングテーブルがないからといって、おもてなしができないわけではありません。

事前にいくつかの対応策を考えておくことで、どのようなお客様にもスマートに対応することが可能になります。

応用編・来客がダイニングテーブルに座る位置

  • 複数の来客がいる場合の席次のポイント
  • リビングテーブルなしの来客への対応法
  • 上座の環境が悪い時の注意点
  • 和室に通す場合の上座のルール
  • 自分が来客の場合に座るべき席
  • 総括 : 来客ダイニングテーブルの座る位置

複数の来客がいる場合の席次のポイント

複数の来客がいる場合の席次のポイント
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お客様が一人ではなく、複数名でいらっしゃった場合は、どなたを一番の上座にご案内すべきか判断が必要です。

この場合、お客様の中での役職や年齢に応じて席次を決めるのがマナーとなります。

席次の優先順位は、一般的に以下の通りです。

  1. 役職: 会社関係のお客様であれば、役職が最も高い方を最優先します。
  2. 社歴: 同じ役職の方がいる場合は、社歴の長い方を優先します。
  3. 年齢: 役職や社歴が関係ない間柄(友人など)であれば、年齢が最も高い方を上座にご案内するのが一般的です。

最も目上の方を一番の上座(出入口から最も遠い席)へご案内したら、次に格の高い方をその隣(二番手)、その次の方をさらにその隣(三番手)という順で案内します。

横並びのソファや長方形のテーブルの長辺に座っていただく場合は、中央が最上位の席となり、次にその右側、そして左側の順となります。

事前に誰が最も目上の方かを把握しておくと、当日スムーズに席を案内でき、失礼がありません。

上座の環境が悪い時の注意点

上座の環境が悪い時の注意点
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前述の通り、席次の基本ルールは大切ですが、それに固執するあまり、お客様に不快な思いをさせてしまっては本末転倒です。上座とされる場所の環境が、必ずしも快適とは限りません。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • エアコンの風が直接当たってしまい、寒すぎる、あるいは暑すぎる
  • 西日が強く差し込み、眩しくて落ち着かない
  • 部屋の隅で照明が暗く、手元が見えづらい
  • 入口からは遠いが、キッチンや通路に面していて人の動きが気になる

このような場合、マナーだからといって無理に上座をお勧めするのは避けるべきです。

その際は、「恐れ入りますが、こちらの席はエアコンの風が直接当たりますので、もしよろしければこちらの席はいかがでしょうか」というように、正直に理由を説明し、別の快適な席をご案内するのが親切な対応と言えます。

マナーの本来の目的は、相手に敬意を払い、心地よく過ごしてもらうことです。形式よりも、相手を思う「おもてなしの心」を優先する柔軟性が大切になります。

和室に通す場合の上座のルール

和室に通す場合の上座のルール
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お客様を和室にお通しする場合の席次は、洋室とは少し異なる基準があります。和室において最も重要な場所は「床の間」です。

床の間は、掛け軸や花が生けられる神聖な場所であり、その部屋の象徴とされています。

したがって、和室では床の間に最も近い席が最上位の上座となります。お客様には、床の間を背にして座っていただくのが最も丁寧なご案内方法です。

これは、お客様に床の間の美術品やしつらえを楽しんでいただく、という意味も込められています。

もし床の間がない和室の場合は、洋室と同様に、出入口から最も遠い席が上座です。

また、和室ならではのマナーとして、座布団の扱いにも注意が必要です。お客様が座るまでは座布団に座らず、勧められてから座るのが礼儀です。

畳のへりや敷居を踏まないように歩くといった配慮も、相手への敬意を示す美しい所作となります。

自分が来客の場合に座るべき席

自分が来客の場合に座るべき席
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ここまではおもてなしをするホスト側のマナーを解説してきましたが、逆に自分がお客様として招かれた場合に、どこに座るべきかも知っておく必要があります。

部屋に通されたら、すぐに勧められた席に座るのではなく、まずは下座に近い場所で挨拶をするのが丁寧です。

ホストから「どうぞ奥へ」と上座を勧められたら、一度は「いえ、こちらで結構です」と軽く辞退するのが謙虚な姿勢とされます。

それでも再度勧められた場合は、相手のご厚意に甘え、「では、お言葉に甘えさせていただきます」と一言添えてから上座に座らせていただきましょう。

頑なに下座に座り続けると、かえって相手に気を遣わせてしまうこともあります。

ただし、自分がお祝いや謝罪、あるいは何かをお願いする立場で訪問した場合は、自ら進んで下座に座るのがマナーです。

自分の立場と訪問の目的をわきまえた上で、適切な席を選ぶことが、円滑な人間関係を築く上で鍵となります。

総括 : 来客がダイニングテーブルに座る位置

この記事では、来客時のダイニングテーブルにおける座る位置のマナーについて、様々な角度から解説してきました。

最後に、大切なお客様を気持ちよくおもてなしするための要点をまとめます。

  • お客様は上座、ホストは下座が基本原則
  • 上座は出入口から最も遠い、落ち着ける席
  • 下座は出入口に近く、お世話がしやすい席
  • 洋室では出入口から一番遠い席が上座
  • リビングでは長椅子ソファが最も格上の席
  • ダイニングテーブルでも入口から遠い奥が上座
  • 和室では床の間の前が最上位の上座
  • 床の間がない和室は入口から一番遠い席
  • 複数の来客時は役職や年齢順に上座へ案内する
  • 横並びの席では中央が一番手、次いで右、左の順
  • エアコンの風や日差しが当たる上座は避ける配慮も必要
  • 環境が悪い席を避ける際は理由をきちんと説明する
  • 自分がお客様の立場なら、一度は上座を辞退する謙虚さも大切
  • おもてなしで最も重要なのは形式よりも相手を思う心
  • マナーを理解し、状況に応じて柔軟に対応することが理想
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