木製テーブルの臭いを消す！原因別の対策と簡単な消臭法

お気に入りの木製テーブルから、なぜか気になる臭いがして困っていませんか。

新しい家具を購入した際のツンとした刺激臭や、長年使っている古い家具の臭い取りに悩む方は少なくありません。

また、木の棚から発せられる酸っぱい匂いや、調理後に木製テーブルが魚臭いと感じるなど、生活の中で発生する臭いの問題もあります。

これらの臭いの原因は、木材自体や接着剤、カビ、生活臭など多岐にわたります。そのため、木に染み付いた臭いや木に染み込んだ臭いを効果的に消臭するには、原因に合わせた正しい対処が必要です。

例えば、ニトリをはじめとする量販店で手に入れた家具の臭い取りには特有のコツがありますし、木の匂いを消すために重曹を用いたり、少し本格的な木材の匂いを消すDIYに挑戦したりする方法も考えられます。

この記事では、テーブルが臭い様々な原因を徹底的に解明し、それぞれの状況に最適な消臭方法を具体的に解説していきます。

この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。

まずは原因究明！木製テーブルの臭いを消す第一歩

木製テーブルの不快な臭いの様々な原因

木製テーブルから発生する臭いは、決して一つの原因によるものではありません。臭いの元を突き止めないまま対策をしても、十分な効果が得られない可能性があります。

そのため、まずはどのような原因が考えられるのかを把握することが大切です。

主な原因は、大きく分けて「化学物質由来」「生物由来」「生活臭由来」「木材由来」の4つに分類できます。

臭いの種類	主な原因	特徴
化学物質由来	接着剤、塗料（ホルムアルデヒド、VOC）	新品の家具に多く、ツンとした刺激臭。シックハウス症候群の原因にもなりうる。
生物由来	カビ、細菌	湿気が多い場所に発生しやすく、酸っぱいようなカビ臭い匂い。健康への悪影響も懸念される。
生活臭由来	タバコ、ペット、食べ物（焼き魚など）	日常生活で発生する臭いが木に吸収されたもの。複合的な臭いになりやすい。
木材由来	木材自体の樹脂や成分（フィトンチッドなど）	スギやヒノキのような心地よい香りもあれば、チーク材など特有の油分を含む匂いもある。

このように、臭いの原因は多岐にわたります。お使いのテーブルがどのケースに当てはまるのかを考えることが、効果的な消臭への第一歩となります。

木材自体が原因でテーブルが臭いケース

テーブルから木の香りがするのは、ある意味で自然なことです。特に、スギやヒノキといった針葉樹を使った家具は、「フィトンチッド」と呼ばれる成分を発散します。

これは森林浴で感じられるような心地よい香りで、リラックス効果も期待できます。

しかし、全ての木の香りが好まれるわけではありません。例えば、チーク材や一部のアンティーク家具に使われる木材は、油分や樹脂を多く含むため、機械油に似た独特の匂いを発することがあります。

これらの香りが苦手な方にとっては、不快な臭いと感じられるかもしれません。

木材自体の匂いは、病的なものではなく、人体に害を及ぼすことはほとんどありません。多くの場合、時間の経過とともに香りは薄れていきます。

もし購入直後で匂いが気になるようであれば、換気を十分に行い、空気を循環させることで、匂いの拡散を早めることができます。

新しい家具特有の臭いを消すには？

新品の木製テーブルを購入した際に感じる、ツンとした刺激臭。この主な原因は、家具の製造過程で使用される接着剤や塗料に含まれる「揮発性有機化合物（VOC）」です。

代表的なものに「ホルムアルデヒド」があり、これらが空気中に放散されることで、特有の臭いが発生します。

この臭いは、シックハウス症候群の原因物質の一つとしても知られており、人によっては目や喉の痛み、頭痛などを引き起こす可能性があります。

そのため、臭いを軽減させることは、快適な室内環境を保つ上で非常に大切になります。

最も効果的な対策は「換気」です。家具が届いたら、まずは部屋の窓を大きく開け、空気を入れ替えましょう。

特に、引き出しや扉が付いている家具の場合は、全て開け放して内部にこもった空気を外に逃がすことが鍵となります。サーキュレーターを使って空気の流れを強制的に作ると、より効率的に臭いを排出できます。

なお、近年ではホルムアルデヒドの放散量が少ない「F☆☆☆☆（エフフォースター）」等級の建材や接着剤を使用した家具も増えています。家具を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。

ニトリなど量販店の家具の臭い取り方法

ニトリをはじめとする量販店で販売されている家具は、手頃な価格でデザインも豊富なため人気があります。しかし、一方で新品時の臭いが気になるという声も聞かれます。

これらの家具には、コストを抑えるために木材のチップを接着剤で固めた「パーティクルボード」や、薄い板を貼り合わせた「合板」が多く使用される傾向があります。

前述の通り、接着剤は化学物質による臭いの主な原因となるため、これらの素材を多用した家具は、無垢材の家具に比べて臭いが強く感じられることがあるのです。

対策の基本は、やはり「換気」と「拭き掃除」です。購入後は、十分に換気を行い、化学物質を室外へ排出させましょう。

加えて、固く絞った濡れ布巾で家具の表面を丁寧に拭き、その後、必ず乾いた布で水分を完全に取り除きます。これを数回繰り返すことで、表面に付着した化学物質を減らし、臭いを和らげることができます。

引き出しや棚の内部には、市販の消臭剤や、後述する重曹、炭などを置いておくのも効果的です。

要注意！木の棚から出る酸っぱい匂いの正体

長年使っている木の棚やタンスから、ツンとした酸っぱい匂いがしてきた場合、それはカビが発生しているサインかもしれません。

カビは、高温多湿で風通しが悪く、ホコリなどの栄養源がある場所を好んで繁殖します。

特に、家具の裏側や引き出しの奥、壁に接している面などは、空気が滞留しやすく湿気がこもりやすいため、カビの温床になりがちです。

発生したカビは、独特のカビ臭さを放つだけでなく、アレルギーや呼吸器疾患の原因になるなど、健康に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。

もし酸っぱい匂いに気づいたら、まずはカビの発生源を探しましょう。家具を移動させ、裏側や底面、設置していた壁などを確認します。

カビを発見した場合は、消毒用エタノールなどを使って丁寧に取り除き、しっかりと乾燥させることが必要です。

根本的な対策としては、カビを発生させない環境を作ることが何より大切です。

家具を壁から5cmほど離して設置して空気の通り道を作ったり、除湿機や除湿剤を活用したりして、室内の湿度をコントロールしましょう。

生活臭が原因？木製テーブルが魚臭いとき

木は呼吸する素材であり、周囲の臭いを吸収しやすい性質を持っています。そのため、日常生活で発生する様々な臭いが、いつの間にか木製テーブルに染み付いてしまうことがあります。

代表的なのが、調理に伴う臭いです。特に、魚を焼いた際の煙や油は、部屋中に広がりやすく、テーブルの表面や目に見えない木の凹凸に付着して、頑固な「魚臭さ」の原因となります。

他にも、タバコの煙、ペットの体臭、食べこぼし、芳香剤の強い香りなどが混ざり合い、「複合臭」となって不快な臭いを発することもあります。

このような生活臭が染み付いてしまった場合、まずは臭いの原因を取り除くことが先決です。例えば魚の臭いが気になるなら、調理時に発生した油汚れがキッチン周りやテーブルに残っている可能性があります。

対策としては、クエン酸を水に溶かした「クエン酸水」でテーブルを拭くのが効果的です。

魚の臭いの元である「トリメチルアミン」はアルカリ性のため、酸性のクエン酸で中和することで臭いを和らげることができます。拭き掃除の後は、水拭き、乾拭きを忘れずに行いましょう。

実践編｜身近な物で木製テーブルの臭いを消す方法

木に染み付いた臭いを根本から消臭する

木に染み付いてしまった臭いを取り除くには、いくつかの基本的な方法があります。特別な道具を必要としない手軽なものから試していくのが良いでしょう。

換気

最も手軽で基本的な方法が換気です。部屋の空気を入れ替えることで、臭いの原因となる化学物質や湿気を外に逃がし、臭いがこもるのを防ぎます。

カビの予防にも繋がるため、日常的にこまめな換気を心がけることが快適な環境維持の鍵となります。

天日干し

移動可能な小さなテーブルであれば、天日干しも有効な手段の一つです。

日光に含まれる紫外線には殺菌効果が期待でき、風通しの良い場所に置くことで、内部にこもった湿気と臭いを発散させることができます。

ただし、長時間の直射日光は、木材の反りやひび割れ、色褪せの原因になる可能性があります。天日干しを行う際は、日陰で風通しの良い場所を選ぶか、短時間にとどめるなどの注意が必要です。

拭き掃除

固く絞った布で水拭きし、すぐに乾拭きで水分を取り除く基本的な掃除も、表面に付着した臭いの原因物質を取り除くのに役立ちます。

汚れが気になる場合は、薄めた中性洗剤を使用するのも一つの手ですが、洗剤が残らないよう、その後の水拭きと乾拭きはより丁寧に行いましょう。

木に染み込んだしつこい臭いへの対処法

基本的な方法では取り除けない、木の内部まで染み込んでしまったしつこい臭いには、より強力な対策が必要になる場合があります。

漂白剤の使用

カビなどが原因で発生した頑固な臭いには、酸素系漂白剤を薄めた液を使用する方法があります。

漂白剤を製品の指示に従って150倍程度に薄め、スプレーボトルに入れて臭いの気になる部分に吹きかけます。その後、固く絞った布で液を拭き取り、しっかりと乾燥させます。

ただし、この方法は木材を変色させたり、塗装を傷めたりするリスクが伴います。使用する前には、必ず家具の目立たない部分で試してから、自己責任で行うようにしてください。

オゾン発生器の利用

より安全かつ効果的に消臭したい場合は、オゾン発生器の利用が考えられます。オゾンは強力な酸化力を持つ気体で、空気中に拡散して臭いの元となる分子を直接分解します。

壁や天井、家具の隙間など、手の届かない場所まで消臭効果が行き渡るのが大きなメリットです。

カビ臭、タバコ臭、ペット臭など、様々な種類の臭いに対応できます。

ただし、高濃度のオゾンは人体に有害なため、製品の取扱説明書をよく読み、無人の環境で使用するなど、正しい使い方を守ることが絶対条件となります。

木の匂いを消すのに重曹が効果的な理由

家庭の掃除で活躍する重曹は、木製家具の消臭にも非常に有効なアイテムです。その理由は、重曹が持つ二つの性質にあります。

一つは、重曹が弱アルカリ性であるという点です。汗や生ゴミ、カビなどが発する酸性の臭いを、アルカリ性の重曹が中和することで、化学的に臭いを打ち消すことができます。

もう一つは、重曹の粒子が多孔質（微細な穴がたくさん開いている構造）であるという点です。この無数の穴が臭いの分子を吸着するため、物理的な消臭効果も期待できます。

重曹の使い方

具体的な使用方法はいくつかあります。

一つは、粉末のまま小皿や布袋に入れて、タンスの引き出しや棚の中に置いておく方法です。湿気も吸ってくれるため、カビ予防にも繋がります。

もう一つは、水100mlに対して小さじ1杯程度の重曹を溶かして「重曹水」を作り、スプレーボトルに入れて吹きかける方法です。臭いが気になる布製の椅子や、テーブルの拭き掃除に活用できます。

重曹は天然素材で安全性が高いですが、無塗装の木材や一部の塗装ではシミや変色の原因になる可能性もゼロではありません。使用前には目立たない場所で試すことをお勧めします。

木材の匂いを消すDIYレベルの本格対策

市販の消臭剤に頼らず、家庭にあるものや手軽に手に入るもので、DIY感覚で臭い対策を行うことも可能です。

炭の活用

バーベキュー用などで使われる炭は、優れた消臭・調湿アイテムです。重曹と同じく多孔質な構造が、臭いの元や湿気を強力に吸着します。

適量をカゴや布袋に入れて、家具の内部や部屋の隅に置いておくだけで効果を発揮します。定期的に天日干しすれば、吸着能力が回復し、繰り返し使えるため経済的です。

酢と水のスプレー

酢には消臭・抗菌作用があり、カビ臭などに効果的です。水と酢を1対1の割合で混ぜてスプレーボトルに入れ、臭いが気になる箇所に軽く吹きかけ、布で拭き取ります。

酢の匂いが少し残りますが、時間とともに気化して消えていきます。こちらも材質によっては変色する恐れがあるため、事前のテストが不可欠です。

煎茶を煎る

これは特に、魚を焼いた後などの生活臭に効果的な方法として知られています。フライパンで緑茶の茶葉を乾煎りすると、香ばしい香りが立ち上ります。

これは「焙煎香（ほうじこう）」と呼ばれるもので、茶葉に含まれるカテキンなどの成分が熱せられることで消臭効果を発揮します。

煎った茶葉を入れたフライパンを手に持って部屋をゆっくりと歩き回り、香りを部屋中に行き渡らせると、不快な臭いが和らぎます。

総括 : 古い家具の臭い取りなど木製テーブルの臭いを消す

この記事では、木製テーブルから発生する様々な臭いの原因と、それらを取り除くための具体的な方法について解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。

• 木製テーブルの臭いの原因は一つではない
• 主な原因は化学物質、カビ、生活臭、木材自体の4種類
• 新品家具の臭いは接着剤や塗料に含まれる化学物質が原因
• 酸っぱい匂いは湿気によるカビの発生が疑われる
• 魚などの生活臭は木が吸収することで染み付く
• 対策の基本は原因に合わせたアプローチを行うこと
• 最も手軽で重要な対策は日常的な換気
• 天日干しは効果的だが直射日光による変色や反りに注意
• 重曹は酸性の臭いを中和し、物理的に吸着する
• クエン酸水はアルカリ性の魚の臭いなどに有効
• 炭は優れた消臭・調湿効果を持ち繰り返し使える
• しつこい臭いにはオゾン発生器なども選択肢となる
• 漂白剤の使用は効果がある一方、変色のリスクを伴う
• 臭い対策の基本はまず掃除で汚れを取り除くこと
• 家具を壁から少し離して置くとカビ予防になる